現代アートはSNSの引力に引き込まれていく
- 2019/06/02
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ビジネス
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現代アートは一般人向き
美術に疎い層でも、比較的取っ付きやすそうなジャンルが現代アートではないでしょうか。
近代アートに比べてまだ一定の評価が与えられていないことも関係していそうです。
既に高額な価格が付けられている前世紀以前の絵画など見ても、自分的には納得し難い気分になることもあまりありません。
十分、開拓されていない現代アートには、自分なりの自由な評価もしやすく感じられるでしょう。
そのことは投資の対象としての魅力も感じさせることになります。
しかし何でも投資になれば、甘い考えで取り組べきものでもありません。
自分好みの作品と言うだけできっと将来、値上がりするなど全く有り得ないのです。
そこは現代アートの進み行く方向を捉えることが先決です。
そして興味深いことに、SNSも現代アートの行く末をリードしているらしいのです。
直接、発信される現代アート
これまで自分のアート作品を発信するとは、ギャラリーに展示してもらうことでしかありませんでした。
そのために展示するギャラリー関係者に一定の理解を得ると言うハードルもあったのです。
作品はもちろん作者の素性までチェックされても仕方ありませんでした。
美術大学を出ていなければそれだけで振り落とされてしまうこともあったのかもしれません。
それがSNSを通じれば、直接、世に自分のアート作品を発信できるのです。
その代わり、発信されるアート作品のレベルもまちまちで受信するに値しないアート作品も氾濫してしまうようにも思えます。
作者のキャラクターも同時発信される
SNSだからこその情報に発信者の情報があります。
ギャラリーではじっと作品が展示されていて、せいぜい作者の経歴などの説明書きがあるだけです。
どんな作者なのかギャラリーのスタッフに聞いてみても、それは第3者からのものであり参考にはなっても信頼するには値しないものです。
SNSでは作者本人の生の声を読み取れることになります。
これからやっと評価の舞台に立とうとする作品のその評価の根拠は、実は作者のキャラクターが大きなウェイトを占めていたりもするものです。
SNSの登場により、これまで以上に作者のイメージ像が作品の将来の価値を決めてしまう要素が高まっていると言えるでしょう。
こうなってくると、美術大学などでしっかり技術を学んでいくら上手な絵画を描いてもいつまで経ってもなかなか評価が得られづらくなるのかもしれません。
作品よりも作者のプロデュースが先になっていく
既に強力なSNSを持っていれば、そこで発信する作品に最初から一定の評価が与えられているようなことにもなります。
これまでギャラリーで見かけた魅力ある作品が作者を知るきっかけでしかなかったのが、反対にSNSでの魅力ある作者が作品を知るきっかけとなっていくことも想像されます。
SNSのおかげで作品を発信するのにギャラリーを介在させる必要が薄れてきていると言えるでしょう。
ギャラリーが示すややこしい条件をクリアせずとも、自由に直接、全世界に向けてアピールできるとまで言えるのです。
ただそのおかげで作品の発信者が急増することにもなるのでしょう。
なんだかそう言ってる絵心の無い自分も試しに作品を発信したくなりそうです。
作品の良し悪しより、強力なキャラクターを持っている作者がもてはやされるようになるのかもしれません。
自分のアピールが上手な人の作品の価格が高くなることだって想定されるのです。
作者もキャラクター作りに奔走させられることになってしまえば、美術本来のあるべき姿とは異なってしまいそうではあります。
いずれにせよこのような目線を持って現代アートの価値を探っていくと、良い買い物もできるのではないでしょうか。