煙草は、本当に肺がんへの近道なの?
- 2017/01/04
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嗜好品には害の指摘がつきもの。まして煙草は……
コーヒーを飲みすぎると胃をやられる、酒の飲み過ぎは生活習慣病につながるなど、嗜好品には害の指摘がついてまわりますが、その中でも一番のものといったら、まずは煙草でしょう。「百害あって一利無し」が煙草の代名詞。ことに、肺がんの原因として指弾され、排斥されてきたことは、ご存じのとおりです。
この世には「嫌煙運動家」と呼ばれる人たちがたくさんいて、ヒステリックに煙草の害をがなりたてていますが、彼らが言うことは本当に正しいのでしょうか。「煙草は肺がんへの直結路」なのでしょうか。
「煙草とは関係ない」」という養老先生の一言
「じいさんもばあさんも、解剖すると肺は真っ黒。これは消化できないゴミが入って細胞が食ってためてるからで、煙草とは関係ない」と言ったのは解剖学者で愛煙家の養老孟司氏ですが、氏の言うとおり「喫煙率はきれいに下がってるのに、肺がんの患者数はきれいに上がってる」(タバコは肺がんリスクなし? 養老孟司が禁煙しない理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版)
というのが、現代の日本です。
実際、データを確かめてみると、2012年現在の成人喫煙率は男性32.2%、女性8.2%。反対に、肺がん死亡数は1958年の2,919人から、2010年の50,395人と増える一方なんですねえ。
煙草と肺がんとの因果関係は、ネズミの実験から?
おもしろい歴史的事実があります。
喫煙が肺がんの危険因子というのはいまや常識の部類ですが、これ、そもそもの根拠はネズミに煙草を吸わせる実験の結果です。100匹のネズミに200本もの煙草を強制的に吸わせたところ、そのうち数匹が肺がんになった、だから煙草は肺がんの原因だ、と。
真偽のほどはともかく、煙草を吸う習慣がない(当たり前だ)ネズミが実験台なんてのは、なんだか胡散臭いと思いませんか。
いいじゃないですか、それぞれの価値観で決めれば
医学的には、煙草が原因の肺がんは肺の入り口に近い部分にできる「扁平上皮がん」で日本人男性の肺がんの約3割。これに対し、6割前後は肺の末梢部分に生じる、煙草とはあまり関係ない「腺がん」だという説もあります。これをもとに考えると、禁煙して肺がんが防げる確率は、そう高くはないといえそうです。
嗜好品とは、人が好んで食べたり飲んだりするからその名があります。そんな嗜好品に対する価値観は、人それぞれ。つまりは、煙草も、吸い続けるか禁煙するかは、自分の価値観次第ということでしょうか。