2歳牝馬G1にディープ産駒がいなかった件
- 2017/01/10
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●フランケル産駒に全部持っていかれた2歳戦
昨年暮れに行われたG1阪神ジュベナイルフィリーズに、実はディープインパクト産駒が1頭も出走していなかったことに、あなたは気がついていただろうか。
阪神の外回りマイル戦は瞬発力勝負だから、本来はディープ産駒の独壇場のはず。
当日新聞を見て「ディープ産駒はどこにいるのかな」と探したファンも多いだろう。
だがしかし、今年はいなかった。
かわりに話題を集めたのは怪物フランケル産駒のソウルスターリング。レースも1番人気に応えての快勝だった。
まあ翌週の朝日杯はディープ産駒のサトノアレスが勝った(ミスエルテは4着)ことで、やっぱりディープ恐るべし、の論調に落ち着いた感はある。
それでも2歳牝馬の頂上決戦にディープ産駒がいないことは、何か変化の兆しだったのだろうか。
●刻々と変わる血の流行
ディープインパクトが種牡馬入りしてもう10年経つ。
父サンデーサイレンス最後の傑作と言われたディープは、その期待に応え、種牡馬としても空前の好成績を収めた。
自身が細身で、ムダ肉が付かず、究極の軽い走りをするタイプだっただけに、多くの産駒の小柄な体格を心配する向きもあったが、見事にそれをはねのけた。
しかし、ディープ自身も偉大だった亡き父の年齢に近づきつつある。
ましてやもともと父が残した優秀な牝馬たちには種付けできない運命。
年々、血統面での選択肢が狭まっていくことからは逃れようもない。
それを最初に感じるのは、生産者なのだろう。
ちまたにあふれるサンデーとディープ牝馬を見るにつけ、どこかで見切りをつけて、新しい血の導入を考えなければならないのである。
●フランケルがもたらしたヒントとは
さて、ディープ産駒にかわって新風を吹き込んだかに見えるフランケルだが、自身の血統は欧州競馬の王道をいくもので、とても新しいとはいえない構成だ。
父系は泣く子も黙るサドラーズウェルズ系の1番手ガリレオで、母父はこれも説明不要の大種牡馬、デインヒル。
そして母母の父が凱旋門賞馬レインボウクエストだから、もしかしたら欧州にはごまんといそうな、凡庸な構成とさえ言える。
しかしこの凡庸な血統構成が、歴史的な名馬を産んだ。
そこにこそ、ディープ産駒の今後を占うヒントが隠されているのかも知れない。
●語るまでもない血統から生み出される名馬たち
もし、ディープ産駒からもう1頭、父の跡を継ぐような希代の名馬が生まれるとしたら、今度はど真ん中の王道血統を持った馬になる気がしている。
すでにキンカメはそれを果たした。
その仔の名は、ドゥラメンテである。
父キングカメハメハ、母父サンデー、母母父トニービン。日本の馬産史を彩るスーパーサイヤーを代々掛け合わせた、意地悪くいえば「たったそれだけ」の血統である。
今年のPOGではぜひその辺りも参考にしてほしい。