次の日本人横綱に一番近い貴景勝、では「対抗」は誰だ?
- 2019/02/26
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何といっても、貴景勝関なのです
「稀勢の里関が引退しましたが、次の日本人横綱は誰でしょう?」
こんな賭けがあったとするなら、「本命」は間違いなく貴景勝関になるでしょう。横綱らしい四つ相撲が苦手だとか、得意の押し相撲以外は驚くほどもろいとか、課題はもちろん多々あります。しかし、まだ若いのでノビシロが充分な上に稽古熱心、目立った故障箇所もありませんから、来場所での昇進は見送られたものの、これから大関、横綱と出世していくのは間違いないのです。しかし、先日も述べた通りあせりは禁物。着実に力を養いながら横綱へと上って欲しいもの。
師匠だった元貴乃花親方も「『貴』が四股名についている以上、昇進に時間がかかるのは宿命のようなもの」と述べています。
彼の「対抗」に足る力士は誰だ?
そんな次期横綱の本命・貴景勝関のすぐ後を追っている、「対抗」の力士がいます。
前頭6枚目・阿武咲(おうのしょう)関、年齢が同じ二人は全国中学校体育大会の決勝戦で顔をあわせ、貴景勝関に敗れて以来のライバル。初土俵、十両昇進は阿武咲関が先、新入幕は貴景勝関が先、三役へと昇進したのが阿武咲関が先ならば、現在の役職は貴景勝関が上という、抜きつ抜かれつの相撲キャリアを積んできました。
昨年の十一月場所で貴景勝関が初優勝を飾った際には「負けていられない、次は自分」と、コメントを残した阿武咲関。横綱という高みに上るために必要になるのは、競い合い磨きあうライバルの存在。貴景勝関が横綱に近いのならば、阿武咲関もまた横綱に近いということができるでしょう。
また忘れてはならないのが、これまた二人と同じ年の幕下4枚目・極芯道(ごくしんどう)。昨年の九月場所に幕下で全勝優勝を果たし十両へと昇進するも、わずか一場所で陥落してしまいました。しかし、ここで注目したいのは彼の故郷が兵庫県尼崎市という点。芦屋のお坊ちゃん・貴景勝関と好対照、メラメラとライバル心が燃えているに違いありません。
極芯道は少し出遅れてしまいましたが、さしずめ「穴馬」といったところ。この3人で横綱争いをするようになると、ますます相撲界が活性化するというものです。
学生横綱出身、有望株の二人も本命か?
また横綱に近い存在といえば、前頭3枚目・正代(しょうだい)関と小結・御嶽海関も挙げないわけにはいきません。二人に共通するのは正代関が184.0cm・165.0kg、御嶽海関が180.0cm・170.0kgという堂々たる体格、フィジカルスポーツの最たるものが相撲ですから、これだけでも横綱にふさわしい。体格だけなら充分彼らは、横綱レースの本命にふさわしいでしょう。
とりわけ正代関が得意とするのは四つ相撲、右を取ってしまうと絶対的な強さを発揮しますし、負けたときですら風格が漂うのです。また、御嶽海関の身体能力や相撲センスの高さについては誰もが認めるところなのです。
しかし相撲ファンが二人について、共通して指摘しているのがメンタル面の問題。正代関は自身を「負けるとクヨクヨするタイプ」と分析していますし、御嶽海関は何度かの大関取りに失敗、ここ一番でもろい印象なのです。加えて二人とも学生横綱出身、学生横綱から真の横綱へと昇進を果たしたのは、あの輪島大士関を最後に誰もいないというジンクスも気にかかるところですが、彼ら二人が横綱に近いということは間違いないと、私、アントニオ犬助は思うのです。
彼らにのこれからに期待したいものです
というわけで、次の日本人横綱に近い力士たちを考えてみました。
絶対横綱・白鵬関を始めとした上位陣が今一つ、一方で若手有望株が次々と登場している相撲界、これから世代交代が進むことでしょう。
若手の彼らには、上位陣への挑戦やライバルと切磋琢磨することで、力をつけていってほしい。そして日本人横綱という重責に耐えうる、強い力士に育ってもらいたいものです。